成瀬吾策さんの本
よくここまで出揃ったと思うほど、ネガティヴなニュースが多い昨今、古い本を読み返してみました。心身医学に興味のある方はご存じかも知れませんが、成瀬吾策さんの「自己コントロール」と「姿勢のふしぎ」という本です。成瀬吾策さん(1924~2019)は臨床心理学者であり、日本催眠医学心理学会を池見酉次郎さん(1915~1999)らと立ち上げ、催眠研究に尽力されました。池見酉次郎さんは、心療内科を日本で立ち上げた有名な方です。
「自己コントロール」は1969年に講談社現代新書から出された本で、意識的に筋肉を弛緩(ゆるむこと)させることで、からだだけでなく心の緊張も解く方法をはじめとして、瞑想やイメージ、自己理解を深める方法が記されています。簡単に言ってしまえば、手、足の末端からはじめて、胴体、首、顔の順に筋肉の緊張を解き、さらに同じ順で温感、重感を意識的に感じることです。そうすることで心身の緊張が解けるだけでなく、からだが癒やされ、自己理解が深まり、創造性が高まるというものです。
「姿勢のふしぎ」は1998年に講談社ブルーバックスから出された本で、脳性マヒにより肢体不自由であったのが、適切に筋肉を弛緩させることにより、正常な動きにコントロールできるようになる。その場合、姿勢が重要なカギをにぎる。正常な姿勢を保つことができることによって、顔の表情が変わり、心が変わる。その方法を動作法と呼び、発達障害、知能障害、ダウン症、筋ジストロフィー、精神分裂症など、さらには腰痛、肩こり、五十肩、教育、高齢化社会にも有効であるとするものです。
自由、平和、平等が、こんなにも脆いものと思い知らされ、恐怖や怒り、悲しみを感じていながら、それを無意識に押しやり、日常を送っている私たちは、それなりの対処をしなければなりません。
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