生まれ変わりについて

10年前に他界した妻が、小学生になって戻って来るという生まれ変わりを扱ったTVドラマが、TBS系列で放映中です。夫と娘は、はじめはいぶかしがっていましたが、その記憶と言動から確信を得て、迎え入れます。ただ、その元妻である小学生には、現世における母親がいるので、一緒に住めるわけではありません。はたしてドラマはどのように展開していくのでしょう?
(TBSドラマ「妻、小学生になる。」原作:村田椰融 脚本:大島里美)

このドラマはファンタジーですが、現実にも生まれ変わりがあり、前世でかかわりあった人々と、現世でめぐり会うという報告があります。
確かに仏教には輪廻転生の考え方があり、半信半疑でそれを受け入れている自分がいるわけですが、あくまでもそれは五分五分です。キリスト教では、輪廻転生について否定的です。でも前世でキリスト教徒であった人が、現世では仏教徒であったり、その逆もあるようです。

この生まれ変わりについての研究は、「前世を記憶する子供たち」という著作で有名なイアン・スティーブンソンというバージニア大学精神科医が有名ですが、私が読んだのは、この大学に勤務した経歴のある大門正幸さんの「生まれ変わりを科学する」という著作です。イアン・スティーブンソンとその協力者は、40年にわたって生まれ変わりの事例を収集しましたが、この本ではその内の2030例をデータベース化したものについて考察しています。

生まれ変わりの当事者は、過去生の家族に会いたいか?
強く希望30.1%
ある程度希望42.6%
どちらでもない21.3%
あまり会いたがらない2.1%
まったく会いたがらない3.8%

過去生の家族と出会ったその後は?
長く関係が続いている56.4%
しばらく続いたが、その後途切れた26.1%
途切れている17.5%

途切れた場合の理由は?
当事者の興味が薄れた11.7%
過去生の家族の興味が薄れた11.0%
当事者が引越した4.1%
過去生の家族が引越した3.4%
当事者の家族が過去生に執着するのを心配した11.7%
過去生の家族の負担が大きくなった6.2%

同一家族に再度生まれてくるか?
アメリカ・カナダの先住民族では100%であるものの、ビルマ(ミャンマー)・タイで70%台、インドで50%、アメリカで20%台

宗教内での生まれ変わりについては?
同一宗教内での生まれ変わりが92.8%、改宗した例は7.2%。
具体的に、仏教徒が仏教徒として生まれ変わるのが268例あり、仏教徒からキリスト教徒として生まれ変わるのが2例あります。またキリスト教徒がキリスト教徒として生まれ変わるのが36例あり、キリスト教徒から仏教徒として生まれ変わるのが11例あります。

カースト制については、身分が上がる場合もあれば下がる場合もあり、輪廻転生によって身分は変わりうると解釈することはできます。

生まれ変わりで人格は向上するか?
性格や習慣に関する情報として、①富に固執するか②犯罪性を示すか③博愛主義的か④宗教に熱心か⑤瞑想を実践しているか⑥高徳かという6つの質問をして、①②については程度が低くなれば向上、③から⑥については程度が高くなれば向上と判断してデータを検索すると、答えにばらつきが見られて、一律に向上しているとか、低下しているとかはいえないようです。

生まれ変わりに終わりはあるか?
仏教やヒンズー教、近代版生まれ変わりの思想では、終わりを想定しています。この世に生きることを基本的に苦しみと捉える仏教やヒンズー教では、生まれ変わりの輪廻からの脱却(解脱)を目標とします。一方、近代版生まれ変わりの思想では、この世は魂を成長させる学校のように捉えているので、充分に成長を果たした魂は卒業となって、地球上で肉体をもつことはなくなります。ただ、生まれ変わりが今回が最後になるのか、そうでないのかはわかりません。

これらのデータや考察をみると、生まれ変わりは確かにあるようです。生まれ変わりに価値を見出すのか、見出さないのかは人それぞれです。私は生まれ変わりがあると考えることで、自殺しようとする人がふみとどまり、殺人や悪いことをする人が減るのではないかと考えます。人が亡くなることの悲しみも和らぐことでしょう。生まれ変わりが世界の常識になれば、争いが減り、もっと平和になるかも知れません。

参考文献:「生まれ変わりを科学する」大門正幸著 桜の花出版 2021年11月発行


生まれ変わりについて” に対して2件のコメントがあります。

  1. かつみ より:

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    1. katsumi より:

      ご覧いただき、ありがとうございます。
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