嚥下障害について

厚生労働省によれば死亡原因の第8位に嚥下障害があげられ、嚥下障害と関係の深い肺炎は第5位にランクされています。(2019年)
嚥下障害の原因は、①形態的な異常、②神経・筋系の異常、③加齢の影響が考えられます。
これから紹介する改善方法は、健常者が加齢によって起こる嚥下障害に対応したもので、何か病気がある場合は医師などに相談したほうがいいと思います。


手の握力と同じように舌には舌圧という測定値があり、それは舌の強さ、食べ物を呑み込む目安となります。男女共、平均は37kpa前後とされ、その数値が低いと嚥下障害が起こりやすいようです。
姿勢が悪いと嚥下困難になりやすいことから、食べる時はまず姿勢を正すことが基本ですが、それでも舌の働きが悪いと食塊をつくりそれをまとめて食道へ運ぶことができません。
舌の筋肉は胸骨とつながっており、その胸骨は骨盤の位置とも関係があるようです。座っている時、骨盤が寝ている状態だと舌圧は低くなり、姿勢を正して骨盤が立った状態だと舌圧は高くなり、舌の働きも良くなるようです。また骨盤と太ももの裏の筋肉(以下、ハムストリングという)もつながっており、この筋肉が硬く縮まっていると、骨盤はそれに引っ張られて寝た状態になってしまいます。
そこでハムストリングを緩めてやれば、骨盤は自然と立った状態となり、舌圧は高くなって、舌の働きも良くなるようです。
これは東京医療学院大学の内田学先生が提示しており、先日のNHK「ためしてガッテン!」という番組で紹介されました。
具体的には、イスを2台用意して片足を伸ばした状態で座り、その伸ばした足関節を背屈させてつま先を立てます。そしてハムストリングが伸びて骨盤を起こすイメージを30秒続けた後、緩める。この動作を食前に3セット繰り返すのです。要領を得れば、イス1台でもできるし、畳の上でもできます。
TV番組では、これにより多くの嚥下障害が改善され、さらに寝たきりでチューブで栄養を導引していた人が食べられるようになったケースも紹介されていました。


これまで嚥下障害に対しては、舌を動かしたり、呑み込む動作をするような嚥下体操は紹介されていましたが、このような方法が紹介されたのははじめてです。これは試してみる価値があると思います。ただし、これにより下肢に痛みやしびれが生じる場合もありますので、先にも示した通り、何か病気がある場合は医師などに相談したほうがいいかと思います。

掲載している写真は、「プロが教える筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典」 
石井直方監修 荒川裕志著 奥山正次CGイラスト 株式会社ナツメ社 2012年11月発行

嚥下障害について” に対して2件のコメントがあります。

  1. かつみ より:

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    1. katsumi より:

      ご覧いただき、ありがとうございます。
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